新型コロナの余波広がるエンタメ界。興行中止保険に注目も

全国的に猛威をふるう新型コロナウイルス。各地で感染者数も増える中、エンタテイメント業界にもその余波が広がっている。

ある日のライブの様子

■ジャニーズ事務所も対応を発表

2月25日には、複数の人気男性アイドルグループを擁する大手芸能プロダクション・ジャニーズ事務所が「新型コロナウイルス感染の拡大に伴うジャニーズグループ主催公演に関するお知らせ」を発表。

1月28日に同事務所のユニット・Snow Manと合同で発売したデビューシングル『Imitation Rain/D.D.』がオリコン初週売上げ132.8万枚を記録したSix TONESやNEWS、嵐の3組に関する2月27日~3月9日の公演が延期または休演となることが知らされた。

■異例の“払い戻し”対応をみせたPerfume

3人組のテクノポップユニット・Perfumeは、2月25~26日にかけて全国ドームツアー「Perfume 8th Tour 2020 “P Cubed” in Dome」の東京ドーム公演を敢行した。

同ユニットは公式サイトで2月24日に、公演について「開催ならびに払い戻しに関するお知らせ」を発表。新型コロナウイルスを懸念して、来場ができなかった観客に向けて、紙のチケット及び電子版の「LINEチケット」のいずれも払い戻しをすると伝えた。(払い戻しに関する情報は公式サイト又はツアー特設サイトで2月27日正午までに発表される予定)

■ハロー!プロジェクトは各グループで様々

モーニング娘。’20やアンジュルムらを擁するハロー!プロジェクトは、公式サイトで2月19日に同月後半~3月にかけて開催されるイベントについて伝えた。

対応は複数に分かれており、中止しながらも振り替えでの開催が示唆されているイベントがあるほか、握手会がメンバーが退場を見届ける形での「お見送り会」に変更される事例も。3月30日の東京ドームシティホール公演で解散するこぶしファクトリーについては、同月4日に発売される8枚目のラストシングル『青春の花/スタートライン』に関連するイベントがいずれも敢行される予定だ。

■損害保険会社の「興行中止保険」

2月23日に元HKT48の指原莉乃が、フジテレビ系の『ワイドナショー 』で新型コロナウイルスとエンタテイメント産業の関係に言及。天候での中止は保険の契約に入っているが、今回の事例は契約書の上でも想定されておらず「中止にすると大損害」であると発言したのも話題を集めた。

保険会社によっては主催者を対象にした「興行(イベント)中止保険」を販売しているが、その一つである三井住友海上のページをみると、様々な契約内容が記載されている。

ページ内で対象とされているのは「悪天候」「出演者の傷害や疾病による出演不能」「交通機関の事故等の不測かつ突発的な事由」などで、中止や延期にあたり「臨時に支出が必要となった費用に対して」保険金が支払われると案内されている。

一方、同ページでは商品自体が「オーダーメイドの保険」であると案内もされているため、今回の騒動に伴い適用されるケースが出るのか注目される。

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一人のファンとして意見を述べるのであれば、正直なところ公演やイベントを中止にして欲しくはない。しかしながら、開催自体を批判する声もまた、日に日に感染者数も増えている現状を考えると、けっして否定できるものではない。

いずれにせよ一刻も早く事態が収束して、少し前のように快くライブへ向かえる日が再び訪れるのを祈るばかりだ。

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