スタンディング席を攻略せよ! ライブを百倍楽しむための心得

近年は、消費者の興味が「体験」に移りつつある。その象徴にあるのが、アーティストやアイドルのライブや2・5次元ミュージカルといった舞台を中心とするライブ・エンタテインメント産業だ。

実際、ぴあ総研が発表した統計をみると2018年の市場規模は5,862億円で、2009年からじつに2,664億円も成長している。

そして、その流れを受けて2020年は、首都圏で新規の会場が相次いでオープンするのも目立つ。3月にこけら落としを迎えるライブハウス”Zepp”の新拠点「KT Zepp Yokohama」(神奈川・みなとみらい)を皮切りに、翌4月にはホール「TACHIKAWA STAGE GADEN」(東京都・立川市)と1万人級の「ぴあアリーナMM」(神奈川・横浜市)が開業。夏には、都内では”Zepp”の3ヶ所目の拠点となる「Zepp Haneda (TOKYO)」(東京・羽田)がオープンする予定だ。

とにかく誰かのライブに行きたい。もはや自分の人生は「No Live, no life!」と日頃から熱くなって仕方ない人たちにとって、会場の選択肢が増えるのは喜ばしい限り。しかし一方で、ファン同士で話しているときにふと「今度、初めてのスタンディング席に行くんだけど不安で…」とつぶやく人たちもいる。

ライブハウスのイメージ

スタンディング席は人がひしめき合う(画像はイメージです)

そこで、様々な会場で指定席やスタンディグ席などを味わってきた経験から、ボクなりの「スタンディング席攻略法」をお伝えしていきたい。

■ロッカーを使い手ぶらで入場せよ!

まずは準備が必要。ってコトで、初めに抑えておきたいのは会場のロッカーがどれほどキャパを持っているかだ。

参考までに「Zepp DiverCity(TOKYO)」(東京・台場)のサイトをみると建物外の設置数は「813個」で、建物内には「378個」が用意されていて合計は「1,130個」となる。しかし、最大で2,500人近くがひしめき合う会場では、およそ6割もの観客が”ロッカー難民”になるのは必至だ。

そこで事前に調べておいてほしいのが、会場付近の施設や最寄り駅まで含めたロッカーの情報だ。今やネットで何でも分かる時代。検索窓に場所の名前と「ロッカー」と立て続けに入力すれば、必要な情報が手に入れられる。

また、昨今はシェアエリングサービスの一環として、スマホアプリを経由してお店などに荷物を預けられる便利なサービスが登場している。以下の「ecbo cloak」は一つの事例であるが、有効活用するのもアリだ。

人がひしめき合うスタンディング席は、手ぶらで満喫してこそ。さらに、荷物を持ち込むと押し合っているさなかで他の観客にもケガをさせたりと迷惑をかけかねないため、対策をしっかり取っておこう。

■入り口からの導線をみきわめよ!

指定席に慣れていると、初めに陣取った位置で「ずっと観なければならない」という感覚に陥るかもしれない。しかし、スタンディング席として設けられたフロアは生き物。公演中に絶えず人びとが動き回るので、どこかのタイミングで目当ての位置に比較的動きやすい。

そのため前もってどの位置に立つかは厳密にいえば正解はないのだが、人混みを避けたいと思うのならば初めに「入り口からの導線」を気にしておくと、穴場を見つけやすい。

例えば、首都圏にある2,500人級の「新木場 STUDIO COAST」(東京・新木場)は、入り口がステージ・上手にあたる西側に一つ設けられているのだが、いざ入場となったとき、だんだんと中央から手前にかけて混んでくる一方で、ステージ下手にあたる東側が空いているといった現象が起きるのが日常茶飯事だ。

手にした整理番号にもよるだろうが、もし混み合った人びとのすき間を狙って歩いていけるのであれば、その場所を陣取るのもアリ。そして、公演が進むにつれて「目の前にいるアーティストやアイドルを間近で見たい!」と思ったら、曲間などで周りの人たちにぶつからないよう注意しながら、ステージへと徐々に近づくのも選択肢の一つだ。

■トイレ対策には「大人用おむつ」を活用せよ!

立ちっぱなしで人がひしめき合うフロアで困るのが、公演中に突然襲ってくるかもしれない生理現象である。こればかりは人間なのでどうしようもないのだが、入り口付近でない限りは途中でトイレに行くのはまず無理なので、事前に済ませておくトイレが近くなるような飲み物は控えるといった対策も必要となる。

そして、万が一に備えてじつは、準備しておいた方がいいのが「大人用おむつ」だ。人によっては「え〜…」と引いているかもしれないが、開演前に長時間並ぶ必要があるグッズ販売列の待機などでも重宝する代物だ。

上記は、筆者が以前ライブで実際に「大人用おむつ」を体験したレポート記事なのだが、技術の進歩とはスゴいもので、最近の製品は何度かであれば耐えられる。ただし、回数に制限はあるため、その真価が気になるのであれば通販サイトで「お試しセット」も売っている製品もあるので、事前に性能を確認してから本番に挑んでみるのがベターだ。

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もう一度繰り返しておきたいのは、スタンディング席において「フロアは生き物」であるというコト。しかし、憧れのアーティストやアイドルを目にしたい熱い気持ちは、会場が変わっても同じだ。一人でも多くの人たちが、ライブハウスなどでみられる独特な雰囲気を存分に味わってもらえればと願う。

※みなさんの「攻略法」も教えて頂けるようなら幸いです。お問合せはページ内にある白黒の「ツイッターボタン」をクリックかタップ、又は https://twitter.com/sorao17 まで!

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